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庚申丸と吉三
少年社中 25周年記念第一弾 第40回公演
『三人どころじゃない吉三』全16ステージ
ご来場、ご声援の程を誠に有難う御座いました。
皆様のおかげもありまして無事完走、終幕する事が出来、とても幸せな気持ちで溢れています。
これからつらつらと綴っていきますが、お時間の許す限り、ご無理のない程度に先をお読み下さい。
私事ですが、少年社中さんとの出会いは「トゥーランドット」という作品で、まだ十代の頃に触れたその演劇の力たるや、凄まじ輝きと闇を放っていて、いつか、まだ先にはなるであろう、だけど、いつか、と懇願するばかりで御座いました。
あれから数年が経ち、劇団の25周年という大変素敵な節目にお声をかけて頂き、出演させていただく事となった今回
『三人どころじゃない吉三』
勿論どんな役を演じる事になるとしても、やはり恩義があり、師である毛利さんの大切な作品、劇団に泥を塗るわけには行かぬと思い、顔合わせに、そして稽古に向かっていったあの日
そこで見た景色はやはり感慨深いものがあり、僕が憧れていたあの劇団の座組の中に居る、立てている、そして素敵な客演の皆様、スタッフチームの皆様の温かさに甘えてしまいたいと思う事さえもありました。
庚申丸という大役を仰せつかったあの日から、悩み葛藤し、楽しみ笑い泣き、こればかりは心地よささえもあった、尊い時間です。
誰もが苦しくなる時間があって、悔しい瞬間もあって、でもそれが明日の[気]に繋がると、時間が戻せたらなぁ、そんな日もあったらいいじゃない。
また目眩く日を駆けて、僕たちに出会った時には自分の事が少しでも好きになるように、生きていて良かったと思って頂けるように、演劇を通して努力を惜しまず想いを交わせたらなと思います。
ひとりひとりが大切で、ひとりひとりが人生で、そしてまた人として成らざるモノも、人の気を宿して愛し愛される
新たな自分に巡り会えたこれまた奇妙な縁、お嬢や和尚、それにお坊、そして閻魔さん
あの世界で交わった全ての「人」へ、庚申丸は刀として生まれてきて、幸せに思えていると思います。
愛してくれてありがとう。
この縁(えにし)が果てしなく、皆様の心の中で紡がれていきますように。
カーテンコールで「木津つばさ」と自分の名乗りを叫んだ時に、役者になって良かったと心から思いました。
一人一人のことを挙げるのも大変恐縮ですので、共演者の皆様、そして少年社中の皆様へ
最年少で若輩者の私を沢山支えて頂きありがとうございました、皆様の晴れ晴れとした顔に出会えたこと、そしてお兄ちゃんお姉ちゃんのように優しく気持ちを抱きしめてくれた事を忘れません、皆様とまたいつぞやお会いできるその日まで、役者として磨き上げてゆきます。
雲外蒼天
また空は雪だけにあらず、陽が差し花を咲かす、吉三の花を。
庚申丸役 木津つばさ